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2009.08.20

田口ランディ◆パピヨン

20090820taguchipapiyon

患者はシンボリックな言語を使って真実を語る。それに耳を傾けてほしいとロスは訴えている。日常の意識レベルから移行した患者は、シンボリックな言葉でしか自分の体験したことを伝えられないのだ。

私はなかなか父の使うシンボリックな言葉がわからなかった。どうせ父の幻覚妄想だと思い、あまり取り合おうとしなかった。

そんな私にパピヨンの意味がわかるかどうか、心配になったのだろうか。死から半年後に父は私の夢に現れたのだ。夢のなかで、父は自分の指をすべて切断して、「この指をおまえにやる」とばかりに無言で差し出し、消えた。〔…〕

父は私にこう言っていたのだ。

「俺のことを書け。すべて書け。娘に書かれるのならしかたがない」

だから、私は父の指をもらってこの本を書き終えた。

夢の力に感謝する。

◆パピヨン|田口ランディ|角川学芸出版|ISBN9784046211903200812

★★★★

《キャッチ・コピー》

『死ぬ瞬間』の精神科医エリザベス・キューブラー・ロス。ロスが残した「蝶」の謎を追い、田口はポーランドの強制収容所跡へと向かう。そして末期がんの父親のケア。

memo

『死ぬ瞬間』に記述された死の受容のプロセス。①否認=自分が死ぬということを疑う段階。②怒り=なぜ自分が死ななければならないのかという怒りの段階。③取引=何かにすがろうという取引を試みる段階。④抑うつ=なにもできなくなる段階。⑤受容=自分の死を受け入れる段階。

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