田崎史郎◆梶山静六 死に顔に笑みをたたえて
「私たちの身近にはたくさんの貧しい方々、やむをえず自分の身体を売らなければならない立場に追い込まれた経済的な弱者がたくさんいたということは、皆さん方もお知りいただきたい」〔…〕 「ときどき戦争体験を申し上げたりするのは、私の時代にあったことを正確に皆さん方にもお伝えすることが、私の年代に生きた者の責任だから申し上げている。〔…〕 昭和20年より前は空白ではなかったということであります」 梶山の話が進むにつれ、会見場は水を打ったように静かになった。 梶山が言った通り、昭和20年(1945年)以前にも歴史があった。まぎれもなく、我々日本人が、我々の父母や祖父母がかたちづくつた歴史である。 その危険なDNAは、我々のなかに脈々と受け継がれている。それを制御する一つ方法は、歴史に学び自分を見つめることだ。 |
◆梶山静六 死に顔に笑みをたたえて|田崎史郎|講談社|ISBN:9784062125925|2004年12月
★★★★
《キャッチ・コピー》
実力者たちの謀略と愛憎の渦の中を、自民党最後の闘将はどう生き抜いたのか。いま初めて明かされる「大乱世の男」の栄光と蹉跌。
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