嵐山光三郎◆「下り坂」繁盛記
頭を下げるきっかけが大切であって、責任者が、ナンタラ、カンタラ、と謝罪の弁を述べ、最後に「申しわけありませんでした」というところで一斉に頭を下げる。 そのとき、頭の下げ方が揃っていないといけない。ひとりが下げ遅れると、見ているほうは、ダラケておるな、と腹をたてる。〔…〕 三人にひとりぐらい後頭部がはげている人がいると謝罪に深みが出て、効果的である。〔…〕 頭を下げるきっかけを責任者が、ハイ、と声をかけるわけにもいかず、アウンの呼吸で一斉に頭を下げる。それには稽古が求められる。 かくして御免流家元、頭の下げ方作法の達人が求められる。 かつての会社幹部は、実務のほか、座禅、剣道、茶道、謡曲、小唄、ゴルフ、座敷芸、団交交渉術、密告、情報収集マージャン、囲碁、談合、などの習い事をしたのであるが、いまや、御免流謝罪作法が必須である。 |
◆「下り坂」繁盛記|嵐山光三郎|新講社|ISBN:9784860812928|2009年09月
★★
《キャッチ・コピー》
我等もともと戦後ドサクサ育ち。不景気、貧乏、お手のもの。ご意見無用!勝手に生きる。ブチキレ老人アラシヤマ平成風雲録。
《memo》
「人生の極意は下り坂にある。坂を下るために生きてきたようなものだ。しかし、下り坂を走るのにはそれなりの技術がいり、うっかり油断すると崖から転落する」と『よろしく』(2006)で書いていた。本書は“下り坂”実践編?
「90歳以上の高齢者をどう呼んだらいいのか」と以下の提案。
75~89歳は後期高齢者。
90歳以上は末期高齢者。
「いや、もうマッキです」
「あらびっくり。てっきりコーキに見えますよ。お若いですなあ」
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