北方謙三◆三国志(1の巻)
「いずれ、周瑜も軍人になりたいと言っております。どちらが早く一軍の将になれるか、競争しょうという話をよくします」 「そうか。そんなに戦が好きか」 「好きではありません。しかしいまは、戦が必要な時代です。戦で、この国の無駄なものが削ぎ落とされていくだろうと思うからです。 国は、若々しくなければなりません」 17歳の少年の言葉とも思えなかった。策などは、弓や剣に熱中していて、戦の意味など考えもしないだろう。〔…〕 「これはまた、策はいい友を持ったものだ」 孫堅は、常用している赤い幘(さく)を、周瑜に差し出した。 |
◆三国志(1の巻)|北方謙三|角川春樹事務所|ISBN:9784894568686|2001年06月|文庫
《キャッチ・コピー》
激しくも哀切な興亡ドラマを雄渾華麗に謳いあげる、北方〈三国志〉第一巻。
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