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2009.12.21

北方謙三◆三国志(10の巻)

200912kitakatasan10

まだ、死んでいない。死なないのではないか。ほとんど恐怖に近い気持で、張飛はそう思った。

躰の中で、またなにかが暴れた。俺の命が暴れているのだ、と張飛は思った。人並みはずれて、頑丈な躰だった。だから、命を閉じこめて、出ていかないようにしている。それも、長くはないだろう。

充分に生きた。思いはいくらも残っているが、力のかぎり生きた。

喜び、悲しんだ。いい兄弟も、友も、そしていい妻もいた。

眠いような気がした。これが、多分死なのだ。

眠りに似ているではないか、と張飛は思った。

◆三国志(10の巻)|北方謙三|角川春樹事務所|ISBN9784894569638200203月発売 |文庫

《キャッチ・コピー》

英雄たちの見果てぬ夢が戦を呼ぶ、北方三国志波瀾の第十巻。

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