最相葉月◆ビヨンド・エジソン――12人の博士が見つめる未来
「コンピュータサイエンスって、人間がつくったものを勝手にサイエンスにしている分野なんです。 ですから、これが問題だといわれていることでも、そもそもこの開発者が最初にこうしたからではないか、ということがたくさんあるんですね。 世界で初めてプログラムを作成して機械を動かそうとしたのは、19世紀の織物機械をつくった人たちでした。 この織物機に想を得たチャールズ・バベッジという数学者が解析可能な計算機械を開発し、バベッジの研究に興味をもった詩人バイロンの娘エイダがプログラムを考案したところからコンピュータの歴史が始まっています。 1か0かという2進数で表すのも人工的で、必然性はないのです。ですから、若い研究者には、既成事実になっていることを一歩引いたところから見て、疑問をもてる人になってほしいと思いますね」 ――第9章 人間とコンピュータの対話をデザインする――情報科学者・中小路久美代と作曲家モーツアルト伝 |
◆ビヨンド・エジソン――12人の博士が見つめる未来|最相葉月 |ポプラ社 |ISBN:9784591111529 |2009年09月
★★★★
《キャッチ・コピー》
分子を生きたまま見る!? 南極に「空気の化石」がある!? 日本の薬がアフリカ睡眠病を治す!? 何十年もかけてひとつのテーマを追い続けることもある研究者たち。彼らは、どのように科学に対する感動を持ち続けているのか。そして、科学的に考えるとはどういうことなのか。
《memo》
「科学者としての自分に影響を与えたと思う伝記や評伝を一冊挙げ」てほしい、という切り口が斬新。ちなみに、上掲の情報科学者・中小路久美代氏は、ポプラ社伝記シリーズ『モーツアルト』。
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