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2009.12.23

北方謙三◆三国志(12の巻)

200912kitakatasan12

「もっと倣慢になれ、孔明殿」

趙雲がなにを言おうとしているのか、束の間、孔明は考えた。趙雲の表情は、老いの皺で隠されてしまっている。〔…〕

この国をあげての、戦であった。民は、何年も重税に耐え、この戦を支えた。その民の前で、馬謖の首を刻ねられるべきだと思う。

それが、軍律というものだ

すべては、馬謖の行動が招いたことだった。〔…〕

「私の責任は、どうなるのです、趙雲殿。馬謖を抜擢したのは、私です」

「だから、倣慢になれと言った。蜀の将兵は、みんな今度の戦の作戦について知っている。どう考えても、惜しい。くやしい。そういう思いが充満している。その思いの一番太いところを、馬謖の首とともに切り捨てるのだ。そうするしかない、と私は思う」

「そして、私に生き長らえよと?」

「馬謖の死を背負ってだ」

◆三国志(12の巻)|北方謙三|角川春樹事務所|ISBN9784894569706200205月|文庫

《キャッチ・コピー》

孔明の乾坤一擲の北伐策に、その武勇を賭ける趙雲。遺された志に光は射すのか。北方「三国志」慟哭の第十二巻。

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