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2009.12.16

北方謙三◆三国志(5の巻)

200912kitakatasan05

「俺は、この歳になって、人の言葉の虚実が聞き分けられるようになった。

確かにおまえは、自分では夢だと思っている。この国の覇権を取るのが夢だ、と曹操が思っているのと同じようにな。自分で、夢だと思いこむ。それはたやすいことなのだ、若造」

「わかりません」

夢は、人の心の悲しさから生まれてくる。野望は違う」

「私には、人の心の悲しみがわからぬ、と将軍は言われますか?」

「おまえは、わかるだろうさ。それがわかろうとわかるまいと、野望は別なところから生れてくる。曹操も袁紹も、人の心の悲しみぐらいはわかったであろうよ」

張燕は、うつむいたまま喋っていた。そういう姿は、生きることに疲れた老人のようにしか見えない。しかしまた、馬上の姿よりもずっと、張衛の心には食いこんでくるのだった。

◆三国志(5の巻)|北方謙三|角川春樹事務所|ISBN9784894568969200110月|文庫

《キャッチ・コピー》

志、野望、そして誇り。男たちは何を賭けて闘うのか。曹操の覇道、いまだ遙かなり。

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