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2009.12.20

北方謙三◆三国志(9の巻)

200912kitakatasan09

関羽の鉢には二本。青竜偃月刀でも、払いきれない矢だった。

雄叫びをあげ、関羽は敵の中に突っこんだ。敵が、崩れていく。雪が、赤く染まる。

赤兎が荒い息とともに、血を噴き出した。それでも、駈けている。

手綱を、軽く引いた。

赤兎を降りる。

「もういい。もういいのだ、赤兎。おまえは、私には過ぎた名馬だった」

首筋に、手を置いた。赤兎が、かすかに首を動かした。それから、膝を折った。

青竜偃月刀を低く構え、関羽は敵にむかって歩きはじめた。

いい兄弟がいた。いい友がいた。

そして、闘い、生きた。〔…〕

躰が、宙に浮いた。誰かが、支えてくれた。そう思ったが、雪の中に倒れただけだった。

「関羽雲長、帰還できず」

呟いた。

次第に、視界が暗くなった。

◆三国志(9の巻)|北方謙三|角川春樹事務所|ISBN9784894569546200202月|文庫

《キャッチ・コピー》

そして、関羽は、劉備の北征を援護すべく、荊州の大地にその名を刻む。北方“三国志”震撼の第九巻。

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