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2009.12.07

斎藤明美◆最後の日本人

20091207saitosaigo

――何故、澤地さんのように賢明な人がこんな手紙を書く男に騙されたんですか? 〔…〕

「男でも女でも嘘をついたり非常に悪いことをしたということは、後になって赤裸々にわかることがあるけれども、

でもある瞬間、男も女も見てはならない夢を見るということが、私は、あるだろうと思うの」

たぶんこの時私は、「大人になったらわかるよ」とよく映画か何かの中で大人が子供に言い聞かせている、その子供のような顔をしていたのじゃないかと、今思う。

「私は仕事で出入りしてた関係だから、編集者の立場ですから、先方の家庭の状況も、家庭ができるまでのいきさつも全部知ってたから、(その作家の求愛から)逃げて逃げて逃げ続けたんですよ。

でも、そうねぇ、結局私がお節介なんだな。執筆に行き詰まった睡眠薬中毒禍の作家から『助けてくれ』って言われたら、『あなたは勝手に死になさい』とは言えないところが、私にはあるのね」

――女にして“正義漢”が似合う人 澤地久枝(作家78歳)

◆最後の日本人|斎藤明美|清流出版|ISBN9784860292935200907

★★★

《キャッチ・コピー》

高峰秀子、永六輔、山田太一、安野光雅など、かつて著者がインタビューした「忍耐、努力、信念、謙譲、潔さ」などの美徳をもつ25人の「最後の日本人」について綴ったもの。

memo

上掲の澤地久枝を“騙した男”は、ガス自殺(未遂)後、筆を絶ち、脳溢血で死去した作家だが、私はこの作家の大ファンで100冊ほど著書を集めたこともある。残念ながら私生活ではこんな卑劣な生活もしていたのだろう。作家の息子が新聞のインタビュー(2009.9.25)で「オヤジとしては下の下の下」と語っている。そして父の小説は1冊も読んだことがないという。

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