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2009.12.25

北方謙三◆三国志の英傑たち

Kitakatasan14ei

おそらく、群雄居並ぶ三国時代で最も英雄らしい英雄は、曹操である。〔…〕

ぼくの脳裏にはただ、戦場に向けて騎馬で疾走する曹操の後ろ姿が浮かんでくるばかりだ。孤高の戦人(いくさびと)、曹操。

ぼくは小説家の特権を行使し、劉備にとっての関羽と張飛のような存在を曹操にも与えたいと思い、猛将・許褚(きょちょ)にその役割を託した。そして、しゃべらず、笑わず、ひたすら曹操に随従し尽くすという設定の許褚に、ただ一度だけ涙を流させた。

呉攻めの赤壁で負けたあと、許褚に助けられきわどいところで追撃をかわした曹操が、月明かりの荒野を見ながらこんな詩を詠む場面だ。〔…〕

(いくさ)の馬は鞍を解かず

鎧と甲とは傍(かたわ)らを離れず

冉冉(ぜんぜん)として老いは将(まさ)に至らんとし

(いずれ)の時にか故郷に反(かえ)らん

曹操自身の詩「却(かえ)って東西門へ行く」の一節である。

◆三国志の英傑たち|北方謙三|角川春樹事務所|ISBN9784758432245200604月|文庫

★★

《キャッチ・コピー》

幾多の男たちが、それぞれの夢を追い求め、やがて死んでいく滅びの物語にファンは多い。この本では、乱世を生きた英傑たちの姿や魅力を、ぼくなりの見方を加えながら語っていきたい―。北方謙三が語る『三国志』の醍醐味を纏めた待望の一冊。

memo

冉冉(ぜんぜん):時の過ぎ行くさま

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コメント

三国志・曹操の墓発見=副葬品に「魏武王」、遺骨も-中国河南省―――2009年12月27日 時事通信
 【北京時事】新華社電によると、中国河南省文物局は27日、北京で記者会見し、同省安陽県安豊郷西高穴村で発掘された後漢時代の墓が、三国志の英雄で魏の始祖、曹操(155~220年)の墓「高陵」と確認されたと発表した。矛や枕などの副葬品に「魏武王」の銘文があったことを最大の根拠とし、出土した男性の遺骨が60歳前後と推定され、歴史書に記載された享年と符合するという。

投稿: kobe@random | 2009.12.28 07:36

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