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2010.01.30

北村薫●北村薫の創作表現講義――あなたを読む、わたしを書く

20100130kitamurasousaku

突然、用意してあった段ボール箱を示す。

「さあ、皆の家がこんなだったらどうだろう。この箱みたいに、窓がひとつもなかったら」

いやだ――という声がいっせいにあがる。

「そうだね。じゃあ反対にガラス張りの家だったらどうかな。トイレも、お風呂も」

今度も、住めない――という否定の声があがる。

「そうだよね。光が全く入らなくても駄目だし、全面ガラス張りでも駄目だ。そういう中にはいられない。――人間てね、このうちみたいなものだと思う。

自分というものを全然見せないのもつらいし、全てを見せるわけにもいかない。〔…〕

「自分のことって、人に見せない方が気楽だったりするよね。あんまり何もかもうちあけると、後悔したりもする。でも、まるっきり隠しているのもつらいよね。そのへんは、窓からちょっと光を入れておきたい気持ちに似てないかな」

●北村薫の創作表現講義――あなたを読む、わたしを書く|北村薫|新潮社|ISBN9784106036033200805月|評=◎おすすめ

<キャッチコピー>

「早稲田大学で教えた2年間、教室でこんな事を話していました」―「その人でしかありえない」表現の秘術。より深く味わうための心得、「伝える」こと「分かる」ことの奥義。小説家の頭の中、胸の内を知り、「読書」で自分を深く探る方法を学ぶ。

<memo>

こんな講義なら有料でも受けたい。作家・北村薫が2005年、2006年に早稲田大学での授業を活字化したもの。 とりわけ新潮社、講談社の編集者を招いての講義内容は興味津々、そして元高校教師・北村薫のみごとな演出ぶり。もっとも上掲は、本書に挿入されている小学生相手の「ようこそ先輩」のヒトコマ。

北村薫■ 語り女たち

北村薫■ 詩歌の待ち伏せ(2

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