康芳夫●虚人のすすめ――無秩序を生き抜け
ところが「人生は退屈しのぎ」という感覚でいると、いつまでも身軽でいられるのだ。〔…〕 虚人としてそんな生き方を私はずっとやってきたし、これからもそうしていきたいと願う。 そして酔狂こそは、この息詰まりそうな超高度管理社会をかいくぐるほとんど唯一の手段であると私は思う。〔…〕 酔狂に生きるにはある種の生半可でない覚悟が必要だ。世間の決まりごとから逸脱していくというのは相当エネルギーがいるし、そこにかかるさまざまな社会的圧力も半端でない。だからそれを振り切る胆力も必要だ。 芸術のように人生を楽しむにはそれなりの教養とセンスだってなくてはならない。もちろんそれは努力なしには身につかない。ときには経済原則から外れたことも厭わずするから、それにまつわるリスクやトラブルにもたびたび遭遇する。そんな覚悟もしておかないといけない。 そう、酔狂とは日常の重力から飛び出さんとする力強い意志がなくては成り立たないの である。 |
●虚人のすすめ――無秩序(カオス)を生き抜け|康芳夫|集英社|ISBN:9784087205138
|2009年10月| 新書|評価=△
<キャッチコピー>
あたりまえと思っていた世界が根底から揺らいでいる今、常識、肩書など何の役にも立たないのだ。本書には現代の“無秩序”を軽やかに生き抜くための虚人の哲学がある。
<memo>
かのイベントプロデューサーの自慢話。果たして読めば元気が出るか?
| 固定リンク
コメント