石井裕●県境マニア! ――日本全国びっくり珍スポットの旅
検索に引っかかったのは、JR京都線・山崎駅というところだ。ウイスキーで有名なサントリー山崎蒸留所や、離宮八幡宮などの最寄り駅として知られている。 秘境度はそれほど高くなく、人通りも少なくない。しかし、この駅の特筆すべきところは、大阪/京都府境をまたがっている“府境駅”という点だ。 わくわくしながら目的の山崎駅に到着すると、ホーム上に県境碑(府境碑)があるではないか! ホーム上に県境碑があるのは、静岡/愛知/長野県境の小和田駅、福岡/大分県境の宝珠山駅くらいであろう。 さりげない、古びた味のある木造の県境碑であるが、このように乗降客を見守ってくれている県境碑を見ると、とても嬉しくなる。その下には大阪/京都府境を示す銘板があり、興奮のあまり、思わず恒例の反復横跳びをしてしまった。 しかし、気づいた時には周囲の視線が痛い……。 |
●県境マニア! ――日本全国びっくり珍スポットの旅|石井裕 |ランダムハウス講談社 |ISBN:9784270005392 |2009年11月|評=△
<キャッチコピー>
まさか!こんなところに県境が!?近年ブームの秘境駅やダム、酷道・険道、廃墟・・・と、くれば次は県境!?たかが行政上の区分の県境、と侮るなかれ。定番スポットからとっておきの穴場まで、ロマン溢れる30県境を徹底ナビゲート。
<memo>
「これは、日本初の県境にスポットを当てた旅行記だ(たぶん……)。」と書いているが、旅行記としてもガイドブックとしてもお粗末(特に地図は最低)。上掲の山崎駅周辺は、サントリーの「山崎」でもあるが、山崎の合戦で秀吉が光秀を破った「天王山」(この故事から運命・勝敗の分かれ目の意味で使われる)、そしてアサヒビール大山崎山荘美術館(洋風建築の本館、安藤忠雄の新館、「睡蓮」のコレクション)があるのだが。
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