堤未果●ルポ貧困大国アメリカⅡ
「ホームレスの一番つらいところは、自分以外の人々が皆よそよそしくなることです。政府も警察も、一般市民もね。 ちょっと前まで私のように中流の暮らしをしていた人間でも、今のアメリカでは廃棄物のように処理されてゆく。 誰とも会話のない日々が続いてゆくと、心が少しずつ死んでいくんです。 私は路上に放り出されて初めて知りました。赤の他人に関わることができる場こそが、社会というものなのだと」 |
●ルポ貧困大国アメリカⅡ|堤未果|岩波書店|ISBN:9784004312253|2010年01月発売 |新書|評=○
<キャッチコピー>
職がみつからず、学資ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れた高齢者たち。教育や年金、医療、そして刑務所までもが商品化され、巨大マーケットに飲みこまれている。オバマ登場で状況は変わったのか。人々の肉声を通して、アメリカの今を活写するルポの第2弾。
<memo>
“刑務所ビジネス”とは刑務所の民営委託と思っていたが、たとえば大手通信会社が囚人を刑務所内で番号案内のオペレーターとして時給1~2ドルで雇うなど、囚人を非正規雇用よりも格安の労働者として働かせるビジネスなのだ。10ドルの間違いではない。しかも企業は社会保険料、福利厚生費の負担も不要だ。
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