藤原正彦●名著講義
仕事をなしとげるのに大切な三要素です。 一つ目は野心です。どんなに優秀な研究者でも、何かをしてやろうという気持ちなしにアイデアがわくことはありません。〔…〕野心があってこそ困難な研究に乗り出すことができるのです。 二つ目は執着心、とにかく諦めないことです。〔…〕 三つ目にして最も大切なのが、楽観的であることです。 悲観的な人は一生悲観しているだけで人生が終わってしまいます。自分の能力などに自己猜疑心が強い人は、物事にぶちあたる前にエネルギーをすり減らしてしまいます。自分を客観的に見たら人間というものは生きていけません。 おめでたくてよい。主観的でいいのです。 ――最終講義 |
●名著講義|藤原正彦|文藝春秋|ISBN:9784163720203|2009年12月|評=○
<キャッチコピー>
女子大生vs.藤原教授。時に激論!時に人生相談?時に脱線&爆笑。白熱の「読書ゼミ」全公開。
<memo>
お茶の水女子大学での読書ゼミ。学生は毎週教授の指示した1冊の文庫を読み、翌週それに関するレポートを提出し、授業中はディスカッションをする。その授業の“実況中継”である。テキストは、『武士道』『余は如何にして基督信徒となりし乎』『学問のすゝめ』『新版きけわだつみのこえ』『逝きし世の面影』『武家の女性』『代表的日本人』『山びこ学校』『忘れられた日本人』『東京に暮す』。当方、既読は3冊。女子大生の負けず、読まなければ……。
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