西岡研介●襲撃――中田カウスの1000日戦争
さらにはKさんが「おう、こら、四課の調べがどんなもんか知ってんのんかぁ」って聞いてくるもんやから、「知ってますよ。“板金捜査”でしょ?(被疑者を)叩いて、伸ばして、(自らが描く事件の筋書き通りの)型にはめるんでしょ」って言うたったんです。 ほしたらまた、「なめとんのかぁ!」ですわ (笑)。〔…〕 僕は(聴取)初日から、何べん聞かれても、一貫して同じ内容の話をしてたつもりなんですけどね。こちらからすれば、あんたらが、自分らで勝手に作った筋書きに、僕の話を合わせようとするから無理があるんや、という話ですよ。 けど、1週間も過ぎれば、慣れてきましてね。途中から、ああ、これは修行なんやなって思うようになりまして。 ――第八章 取調室の攻防
|
●襲撃――中田カウスの1000日戦争|西岡研介|朝日新聞出版|ISBN:9784023304482|2009年11月|評=○
<キャッチコピー>
創業から90年余で、800人のタレントを抱え、年商490億円を誇るに至った「お笑い帝国」が抱える宿痾とは…勃発から1000日。怪しげな人々が跳梁跋扈し、マスコミや警察をも巻き込んだ、吉本興業創業家VS.現経営陣の“お家騒動”の真相を、「中田カウス襲撃事件」を端緒に抉り出す、渾身のノンフィクション。
<memo>
創業家と現経営陣との確執を描いたものだが、そもそも中田カウスという一芸人が両者に食い込んでなぜ“力”を発揮しているのかがわからない。「サロンバー時代屋」マスターの17年の裏社会との人脈を武器に、経営陣のスキャンダルを処理してのしあがっていったのか。
|
| 固定リンク
コメント