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2010.03.24

高村薫/藤原健●作家と新聞記者の対話 2006ー2009

Takamurahujiwara_3

ウィンドウズの威力は情報量の多さとネットワークですから、言葉などは簡単なほうがいい。言葉より、より多くの情報を、より速く、です。

言葉が本来持っている構造をつくる力ではなくて、情報を伝えるための記号になったということです。ですから、「てにをは」だけあればいい。メールやブログが進化してゆくと、会話文さえ面倒になって、文章がますます解体されてゆく。

そこへ、携帯電話の普及が追い打ちをかけたんですね。〔…〕

いずれ、言語能力の格差というのが出てくると思います。つまり、きちんと物事を語れる能力を依然保っている人と、そうでない大衆の格差ですけど、この言語能力の格差というのは、人間の尊厳にかかわる格差だとは言えないでしょうか。

社会の仕魁みをつくるエリート層は必ず言葉を持っている人たちで、彼らが支配層になる。一方、言葉を持たない人たちは被支配層になって、社会の歯車になるしかなくなる。

これは怖いことです。言葉を持たないと、自分の未来を考えることができないんです。

――第2章 「崩壊」前夜に

●作家と新聞記者の対話 20062009|高村薫/藤原健|毎日新聞社|ISBN9784620319667201001月|評=

<キャッチコピー>

すべてが困難ないま─日本が、私たち日本人が、生き延びるために必要なこととは、何か。森羅万象を俎上に載せ、怒りと愛情をもって批評し、私たちの歩むべき道筋を考え提案する。

<memo>

つねにニュースに対し発言し続ける作家・高村薫に好感を持っている。「レディ・ジョーカー」までの初期の作品はずいぶん楽しんだ。

別冊宝島編集部■ 高村薫の本

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