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2010.03.17

久田恵●家族がいてもいなくても

Hisadakazoku

「あんたは、誰なんだ?」

おやつのヨーグルトをスプーンで口元に運んでいたら、九十二歳の父がふいに言った。〔…〕

父の頭の中で、きっと私は、時々迷子になるのだろう。誰だろう、誰だろう、と思って、父は父でもどかしくなって、この日、思わず聞いたのだろう。

「あんたは、誰?」〔…〕

そういえば、先日は、とある人からも切々とした問い合わせの手紙をもらった。

「あなたは、誰ですか? 私の人生にどんなかかわりがあった方ですか? どうぞお知らせください」と。

二十年ぐらい前、取材でお世話になって以来、年賀状や暑中見舞いなどをやりとりしていた方だ。

彼もまた高齢になり、いろいろと思い出せなくなって、でも、年賀状を見て、名前が気になって、気になって……、とうとう思い余って問い合わせてきたのである。

――「記憶の中でつかまえて」

●家族がいてもいなくても|久田恵|産經新聞出版|ISBN9784594059477200905月|評=○

<キャッチコピー>

家族がいてもいなくても、いずれはみ〜んなおひとりさま。子育てに奮戦し、長期にわたり両親の介護に追われた作家の想うところは?

<memo>

一つや二つ思い当たることがあるはずの熟年向けコラム。

久田恵■ シクスティーズの日々――それぞれの定年後

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