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2010.03.01

高田郁●八朔の雪 ――みをつくし料理帖

20100301takatahassaku

「最初に相談した時に、旦那さんは何で反対しはらへんかったんやろ〔…〕、そしたらお客さんを怒らせることも、材料を無駄にすることもなかったのに」〔…〕

「嘉兵衛は、こない言うてた。才のない者には、恥かかんよう盛大に手え貸したり。

けど、才のある者には手え貸さんと、盛大に恥かかしたりて。私の反対を押し切って、女のあんたを板場へ入れて仕事を仕込んだ時、嘉兵衛は、どうやった?」

澪もまた、芳の方へ向き直る。

「へえ、厳しい仕込んで頂きました。賄いの味付けを仕損じた時も、何も教えて頂けんで、ずいぶんと恥ずかしい思いもしました」

「それみてみなはれ、ひとを育てよう、いう嘉兵衛の姿勢と、つる家の旦那さんの遣り様はよう似てはる」

●八朔の雪 ――みをつくし料理帖|高田郁|角川春樹事務所|ISBN9784758434034200905 |文庫|評=○

<キャッチコピー>

神田で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪(みお)は、大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、日々研鑽を重ねる。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!

<memo>

ぴりから鰹田麩、ひんやり心太、とろとろ茶碗蒸し、ほっこり酒粕汁等レシピつきの“おいしい小説”。江戸と大坂の料理比較がおもしろい。

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