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2010.04.15

金原瑞人●翻訳のさじかげん

20100415kaneharahonyaku

このごろ、「美しい日本語」とか「正しい日本語」とかうるさいほど耳にするけれど、そんなものはない。〔…〕

作家であれ翻訳家であれ、いや、ごく一般の人であれ、文章で問われるべきは「正しい」とか「美しい」とかではなく、(その時代において、その状況において、読者にとって)「効果的であるかどうか」「本人の伝えたいものが伝わっているかどうか」だと思う。

言葉というのは、伝えるためにあるものなんだから。〔…〕

あらゆるものは時間がたてば古びる。もちろん古びても、なお次の時代に通用するものもある。しかし、そういったものが「本当に価値がある」ものであるかどうかもまた定かでない。

そもそも、そのまた次の時代に通用するかどうかはわからない。というか、そういう絶対的な価値などおそらくないのだ。

――「古びない言葉なんてない」

●翻訳のさじかげん|金原瑞人|ポプラ社|ISBN9784591108789200903月|評=○

<キャッチコピー>

料理に骨董、三味線に歌舞伎…翻訳しているヒマがない?人気翻訳家の最新エッセイ集。

<memo>

食・言葉・翻訳などに関するうんちくエッセイ。

金原瑞人■ 翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった

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