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2010.04.10

平松剛●磯崎新の「都庁」――戦後日本最大のコンペ

Hiramatuisozakiarata

ひょっとすると建築の手がかりは、外観より建物内部の「空間」にあるのかもしれない。柱、梁、床、壁、天井と名付けられた部材で囲われ、窓を通して外に接続する人工的な環境。

これが、師・丹下健三の骨組みのプロポーション感覚から脱げ出す一つのきっかけになるのではないか。〔…〕

後に磯崎は著書『手法が』にこう記している。

「そこ(師・丹下の建築)には、骨体が登る均衡があった。しかし、私は、その骨体が内側に包みこむ、空間と呼ぶべきものが常に欠落しているのではなかろうか、という疑問を感じていた。(中略)かつての茶室や数奇屋書院がもっているような、皮膚感覚を刺激するようななまめかしさが消えている」

皮膚感覚に快楽を与えてくれるもの。それが磯崎が可能性を見出そうとした「空間」だった。

とはいえ、「空間」と口で言うのは簡単だけど、ではそれを一体どうデザインすればよいのだろうか。

「雰囲気」や「空気」などというとりとめないものを、しかし設計行為とは、具体的な手段をもって組み立てねばならないのである。

●磯崎新の「都庁」――戦後日本最大のコンペ|平松剛|文藝春秋|ISBN9784163702902200806月|評=◎おすすめ

<キャッチコピー>

「ぶっちぎりで勝とう!ぶっちぎりで勝とう!」連呼する建築界の天皇・丹下健三。そのかつての師に、腰痛・腹痛・大スランプ中、満身創痍の磯崎新が、闘いを挑んだ!1985年、バブル前夜の東京で行われた新宿の新都庁舎案コンペ。建築界の知の巨人の夢と格闘の軌跡を追う、建築ノンフィクションの大作。

<memo>

テーマは「丹下健三vs.磯崎新」、決闘の場は「新都庁コンペ」。建築史をさかのぼったり、絞込みが足りず、やたらに(笑)が入る弟子たちの会話体など、冗長な文章で読むのに疲れる。

平松剛●光の教会――安藤忠雄の現場

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