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2010.06.14

萩原隆●ザシキワラシ考

20100614hagiwarazasiki

だが、〈ボケ〉や〈寝たきり〉恐怖は留まるところを知らない。

モンテーニュでさえ高齢者にとって〈死〉より恐ろしいものは〈寝たきり〉や〈ボケ老人〉になることだと考えていた。大著『随想録』の巻末は、そうならないようにとアポロンへの祈りの言葉で終わっている。

このPPK (ぴんぴんころり)願望が叶えられるのは15パーセントの人たちに過ぎないと言われる。残りの85パーセントは平均して8カ月間は他人の世話になった後でなければ往生できない。〔…〕

〈生涯現役〉、〈不断の訓練〉、〈新しいことへの挑戦〉などなど、もはや問題にならない。キケロが説くような高齢の英知は、存在するとしても束の間の輝きに過ぎず、そのあとは幼児化、即ち愚者に限りなく近づく。

だから高齢者が説く〈長寿の秘伝〉だの〈健康法〉だのは信用に値しないのである。

●ザシキワラシ考|萩原隆|編集工房ノア|ISBN9784892716843200912月|評=○

<キャッチコピー>

年老いても輝いてみえる時期はたしかにあると思う。「いまがいちばん楽しい…生きていて良かった!」私の医学校同窓生たちも、異口同音に、そう言っていた。だいたい70歳前後のことである。(本書)

<memo>

1925年生まれの現役医師。気取りはあるが、情緒を排した思索エッセイ集。

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