三沢明彦●捜査一課秘録
19日午後、東京・銀座では信者が通行人にビラを配っていた。 「阪神大震災は日本に襲いかかる数々の恐怖と惨劇のプロローグにすぎない。想像を絶する規模で忍び寄る戦慄の世紀末 次に日本を襲うのは……?」 そう書かれたビラの裏には都内の地下鉄路線図が印刷されていた。 それは、教団からの予告だったのか。 不気味などラが撒かれた翌日、かつてない規模の無差別テロが都心を襲った。3月20日の地下鉄サリン事件の被害は想像をはるかに超えていた。〔…〕 「煩悩にまみれて生きてきた弟子たちよ。いよいよ君たちが目覚めて私の手伝いをする時が来た。君たちは死に際して、決して後悔しないようにしなければならない。〔…〕一緒に救済計画を行おう。そして悔いのない死を迎えようではないか」 21日未明、極東のウラジオストクから日本に向けて放送されているオウム真理教のラジオ番組で、松本は弟子たちにこう語りかけた。 |
●捜査一課秘録|三沢明彦|光文社|ISBN:9784334974305|2004年02月|新潮文庫2009年11月|評=△
<キャッチコピー>
“伝説の刑事”たちがついに語った。極刑判決へ…今、初めて明かされる麻原逮捕と取調室の攻防。
<memo>
読売新聞記者によるオウム麻原逮捕までの警視庁捜査一課ドキュメント
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