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2010.07.01

高樹のぶ子●花迎え

20100701takagihana

何の気まぐれかハイテンションにまかせて、突然決心したのだ。

この人の本は、多分、生涯に1冊も読むことはないだろう――と思う本を、1冊だけ買ってみようと決めたのだ。

そう決心して書店に行くと、何と驚いたことに、生涯に1冊も読むことはないタイプ(著者)の本が、書店には溢れていた。〔…〕生涯無縁なはずの本が、手の中にたちまち10冊になった。〔…〕

そして一番嫌いなはずの本は、私にとってショックだった。バチンと頬を叩かれた気がした。私がなぜこの著者の本を嫌いだと思ってきたか、その理由とともに、私自身の姿がはっきりと見えた。

漠然とした苦手意識を越えたところに、新しい自分へ向いそうな、小さな穴があいていた。これは喜びを越えて快楽と呼べる体験。

相思相愛の相手だけに満足していては、異郷には入りこめないのかもしれない。たまには、苦手な著者の本、全くタイプではない本にも手をのばしてみよう。思いがけない快楽が待っているかもしれないもの。

――「嫌いなはずの本」

●花迎え|高樹のぶ子|小学館|ISBN9784093881029201003月|評=△

<キャッチコピー>

恋愛と戦争、旅と読書。世界を丸ごととらえた10年ぶりのエッセイ集。

<memo>

「年を重ねると思慮深くなる、というのは嘘だ。むしろ短慮になるのではないだろうか。思慮深く考えたところで、結果に大差はないことも、どこかで学んでしまっている」(「通販のワンピース」)

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