高橋洋一/須田慎一郎●偽りの政権交代 ――財務省に乗っ取られた日本の悲劇
菅さんは国家戦略担当相のときは、最初から最後まで音なしの構えを貫いた。 国家戦略室でやっていたことといえば、学者を集めて実りのない議論を延々と続けただけ。その証拠に、2010年1月から始まった通常国会に、国家戦略室でつくった法案は一つも出ていない。 菅さんの国家戦略室では、複数年度にわたる政策の立案を行っていた。〔…〕 複数年度の政策は、実は、政治家を遊ばせておくにはもってこいなのだ。いってみれば、政治家用のおしゃぶり。〔…〕 たとえ成果がすぐに現れなくとも、政治家は、「今後の国家の方向性を決める重要な構想を練っているのだから、そう簡単にはいかない」と言い訳できるし、非難もあまりされない。 結局、国家戦略担当相だったときの菅さんは、霞が関に遊び道具を与えられて、遊ばされていたようなものだった。 |
●偽りの政権交代 ――財務省に乗っ取られた日本の悲劇|高橋洋一/須田慎一郎|講談社|ISBN:9784062160513|2010年04月|評=○
<キャッチコピー>
まだ、民主党の改革を信じますか?このままでは、2020年に日本は二流国になる。闇の郵政人事/霞が関にジャックされた官邸/JALを潰した真犯人/日本経済を沈没させる日銀と民主党/迷走する政策の裏側など。
<memo>
2010年7月16日「夕刊フジ」…… 菅直人首相が、国家戦略室から府省間の政策調整の機能を外し、首相の「助言機能」に縮小させる方針を固めた。目玉機関の格下げは、民主党政権の金看板「政治主導」の後退につながりかねない。荒井聡担当相の仕事は、「酒を飲みながら首相のグチを聞くだけになった」(党関係者)との声もある。
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