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2010.07.12

蓮池薫●半島へ、ふたたび

20100712

僕たち一行が降り立ったのは金浦空港だった。〔…〕

金浦空港というと、やはり「よど号事件」を思い出してしまう。北朝鮮のピョンヤンと偽って、日韓両政府が「よど号」を誘導したのがこの空港だ。〔…〕

僕が北朝鮮で聞いたところによると、犯人グループの誰かが空港の様子を見て不審に思い、ラジオをつけてみたら北朝鮮とはイントネーションが違うアナウンサーの声が大きく流れたことで、異常を察したという。〔…〕

僕もよく、北朝鮮のアナウンサーはどうしてあんなに力んで話すのかと訊かれる。もちろん、韓国語を知らない人たちからだ。僕はその質問に対して、北朝鮮ではアナウンサーという職業がただニュースを伝えるだけではなく、党の扇動家だからだと答えることにしている。

事実そうなのだから。

とにかく北朝鮮の一般の人々は、犯人グループのピョンヤン亡命を含め、「よど号」事件の一切について知らされていない。ましてや彼らが日本人拉致事件に関与しているなどとは……。

●半島へ、ふたたび|蓮池薫|新潮社|ISBN9784103165316200906月|評=○

<キャッチコピー>

「あれ、朝鮮半島じゃない!?」家内の声に飛行機の窓から覗き見る。その瞬間、僕のなかでおぞましい24年の歳月が甦った。初めて訪れたソウル。初めて明かす、北朝鮮、拉致への思い─。万感胸に迫る手記。

<memo>

韓国旅行記と翻訳家としての日々を抑制した文体で綴る。北朝鮮での生活にほとんど触れていない。たぶん書きたくても書けないのではないか。

高沢皓司★宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作 

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