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2010.07.19

万城目学●ザ・万歩計

20100719

みなさんは篤史である。「ここがバス・ルームですね。それじゃ、失礼します」と浴室のドアに手をかける。ドアを開け、壁の上部に飲めこまれた窓より、まばゆいばかりに光が白い浴室内に注ぎこむのを見て、みなさんはいかなる第一声を発するだろうか?

「いやあ――明るい!」

ブブー。3篤史(篤史はポイントの単位)。〔…〕

「ウウム、空間が白にあふれていますね」

少しいい感じになってきたけれども、やはりブブー。残念、38篤史。

そろそろイラッときた方もおられるだろうから、100篤史の解答をお伝えしたいと思う。実際に番組で、浴室のドアを開け、頭より少し高い位置のあたりから光が注いでいるのを認めた篤史は、何と言ったのか?

「おおお、フェルメールの明かりが」

と篤史は言ったのである。〔…〕

つまり、篤史は浴室のドアを開けた瞬間、左手の高窓から光が注ぐのを見て、反射的にフェルメールの絵画を連想し、「フェルメールの光が」と、目の前の風景を描写したのだ。

しびれた。心の底から感服した。何というわかりにくいコメントを発するのか篤史、とふるえる心で呼びかけた。

――「篤史 My Love

●ザ・万歩計|万城目学|産業編集センター|ISBN9784863110090200803月|文庫20107月|評=○

<キャッチコピー>

オニを遊ばせ鹿に喋らせるマキメ・マナブのマーベラスな日々。初エッセイ集。

<memo>

モンゴル人になりたくてモンゴルへ行った「遥かなるモンゴル」。長編で読みたかった。

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