中島義道●女の好きな10の言葉
日本の女流作家たちも、私はよく読みます。それにしても、女流作家たちは、なぜ男との愛のことばかりを書くのでしょうか? どう割り引いても、女流作家のテーマの8割方は、恋人関係と夫婦関係における(その残酷さも含めた)「愛」です。 しかも、不思議ともいえる現象なのですが、女流作家は自分から男を積極的に「求める」話ばかりを書く。 あるいは、自分が現在の恋人や夫に(さまざまな意味で)不満を感じている話ばかりを書く。 かつて、林芙美子も、岡本かの子も、宇野千代も、円地文子も、瀬戸内晴美(いまの寂聴)も、男との性愛ばかり書いていた。 そして、現代に至っても、小池真理子は言わずもがな、高樹のぶ子も、山田詠美も、江国香織も、藤堂志津子も、山本文緒も……、男との性愛関係ばかり描く。 |
●女の好きな10の言葉|中島義道|新潮社|ISBN:9784104397075|2010年05月|評=△
<キャッチコピー>
ほんとうの愛って何?私はあなたの何なの?私を人間として見て!あなたには私が必要なの!あなたは不潔よ!私に何でも言って!私に心配かけないで!わかんなーい!かわいーい!すごーい!…女性はなぜ、こんなセリフを吐くのでしょう?
<memo>
巻末に「女がわかる111の本、映画、オペラ、ミュージカル、歌〔謡〕曲というリストが掲載されている(本書で言及、引用した作品)が、なにしろ1946年生まれの著者なので、とにかく古い。
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