中場利一●ほたら、一丁。
「店の扉は結界やで。自動ドアみたいにボーと入ってもろたらアカン」 そう言い切る店の人もいる。大阪・法善寺横丁「S」の大将である。客がひと呼吸おいて扉に手をかけ開ける。店も「らっしゃい」と真摯に向きあう。そこからつき合いが始まっていく。 この店のいいところは、いつ行っても常連がのさばってはいない。 常連がのさばるかのさぼらないかで店は決まる。 Sにはそれが全くない。安心である。常連ヅラした奴がジロジロ見たら灰皿で頭をカチ割らないといけないが、その手間が省ける。 ――「緊張する店が好きだ」 |
●ほたら、一丁。|中場利一|本の雑誌社|ISBN:9784860110857|2008年07月|評=○
<キャッチコピー>
今夜は岸和田、明日はミナミ。ダイエットベルトを腹に巻き、深夜のバーで美人をくどく。岸和田の「一生、遊んで暮らしたい」男が綴る多忙でヤタケタな超おもろ日常記。
<memo>
前に一度、東京都内の本屋さんで私の本を手に取り、パラパラとページをめくり、買おうか買うまいか悩んでいる風な人を見かけた。〔…〕そっと横に行って同じ本を手に取り、
「あー!!これやこれや!! これかあ、みんながオモシロイオモシロイ言うてる本はァ!!」
とクサイ芝居をしてチラリとその人を見た。
知り合いだった。
「大変ですね、ナカバさん」(本書)
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コメント
男の…(正確には遊び人の男)かっこいい姿がこの人の本には生きてる。あんな風に生きたい!憧れる…けど…なかなかそうもいかん…みたいな。たぶん著者はそうやって生きて、色々な…。あんまり止めとこ。人の事 想像で物言うたら怒られる。けど…きっと面白いて思うやろね、男らしい男、面白い男が好きな人がみたら、老若男女皆笑うほろりとするし。
ま、私は面白い思いましたよ、
この著者のおっさんはそんな好きでも無いけどね。
投稿: 中場利一ファンですよ。 | 2012.05.06 17:46