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2010.09.20

平尾道雄●坂本龍馬 海援隊始末記

20100920

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あるとき同志の檜垣清治に出会い、かれの長刀をひややかにながめて、

「無用の長物だ。それでは、いざというときに役に立つまい」

と言って自分の短刀をしめした。

檜垣もなるほどと思い長刀をすてて短刀にかえ、後日これを龍馬に見せると、かれはやにわに短銃をふところから取りだして一発ぶっ放した。

「これが西洋の武器、よく見ておけ」

檜垣が苦心のすえピストルを手に入れ、三度目に会ったときには龍馬がつぎのように言った。

「将来は武力だけでは役に立たぬ。学問が大事だ。僕はいま万国公法を読んでいるが、これは非常におもしろい」

檜垣清治はのちに直枝と称し、警視庁の警視になった人物である。この話は一場の比喩としても、なお龍馬の面目が躍如としているようだ。

●坂本龍馬 海援隊始末記|平尾道雄|中央公論新社|ISBN97841220525051976初版/200912月改版|文庫|評=○

<キャッチコピー>

開国通商・海上発展の「世界の海援隊」が龍馬の夢であった。彼の雄図と組織の消長を、史料の正確な分析と理解の上に立つ平易な語り口で説き明かした名著。

<memo>

「なんで、略字の竜なのですか」と。僕ら高知の人間はずっと「龍馬」に慣れ親しんでいましたから。すると「僕は学者じゃなくて小説家だろ。この小説は僕の竜馬だし、自由な竜馬を書くんや」。さらに、「龍馬の方は平尾道雄先生をはじめとする方々にお任せすればええ」といわれました(窪内隆起「週刊司馬遼太郎132006)

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