筒井康隆●アホの壁
** 良識ある人とてアホなことはする。いや、良識ある人こそたまにはアホなことをしなければならない。 無意識の願望を発散させる機会に恵まれなければ、その人の欲求不満は蓄積し、ついには精神を病んで極端なアホをしでかしてしまうだろう。〔…〕 なぜあんな教養のある立派な人が、あんなアホなことを、と不思議がられる場合も、そのアホなことをしなければもつとアホなことをした筈と考えれば、どんなことでも納得できる。 |
●アホの壁|筒井康隆|新潮社|ISBN:9784106103506|2010年02月|新書|評=○
<キャッチコピー>
なぜそんなアホなことをするのか、そしてアホなことを言うのか? 文化的文明人を自任する現代人が、いとも簡単に飛び越えてしまう「アホの壁」をめぐり、豊富なエピソードと心理学、文学、歴史ないまぜでつづる抱腹絶倒の筒井流人間論、ついに登場。
<memo>
小生が考えた「アホの壁」とは、養老さんの「バカの壁」のような人と人との間のコミュニケーションを阻害する壁ではなく、人それぞれの、良識とアホとの間に立ちはだかる壁のことである。(まえがき)
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