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2010.09.12

司馬遼太郎●竜馬がゆく(一)

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*

竜馬は、うまれおちたときから、背中いちめんに旋毛がはえていた。父の八平は豪気な男だったからこれをおかしがり、

「この子はへんちくりんじゃ、馬でもないのにたてがみがはえちょる」

といって、竜馬と名づけた。

八平はよろこんだが、死んだ母の幸子はいやがり、

「猫かもしれませぬよ」

と心配した。〔…〕

ところが長ずるにしたがって、意外に愚童だったために、竜馬の駿馬説は消えた。〔…〕

しかし乙女は、そうはおもわなかった。寝小便ったれのはなたれ小僧で、手習いもろくにできない子だが、こどもにも骨柄というものがある。

●竜馬がゆく()|司馬遼太郎|文藝春秋|196366/文庫版1975|評=◎おすすめ

<キャッチコピー>

「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説。

<memo>

大河ドラマ「龍馬伝」がきっかけで竜馬ブームだ。そこで連日の猛暑から逃げるために、熱中できるものとし30年ぶりに『竜馬がゆく』を再読した。『竜馬がゆく』は、「産経新聞」夕刊に19626月から4年にわたって連載された司馬遼太郎初期の傑作である。1963年から立志篇、風雲篇、狂瀾篇、怒濤篇、回天篇として全5巻刊行。始まりは寝待ノ藤兵衛なる盗賊も登場し、どちらかといえば明朗爽快な山手樹一郎のようにな時代小説である。巻を進めるうちに作者の“余談”も登場し、司馬ふう歴史小説となる。

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