長谷川櫂●句会入門
* 句会がはじまってから題を出す、これが「席題」である。席題の席は「即席」「その場で」という意味である。即興ということだ。〔…〕 人間とは不思議なもので頭を働かせたからといって必ずしもいい結果を生むわけではない。ときには頭を働かせないほうがいいこともある。 とくに文学や芸術では頭などあまり働かせるものではない。人間の灰色の脳は理屈の塊であり、目いっぱい働かせると理屈っぽい句ばかり作りだすことになるからだ。 席題は人間の灰色の脳を短い時間、題に集中させる。こうして脳の論理的な思考を掻き乱し、そのすき間に論理を超越した新しい回路を稲妻のように走らせる。 席題では初心者でも誰もがあっと驚く新鮮な句を詠んでしまうことがあるのはそのためだ。 |
●句会入門|長谷川櫂|講談社|ISBN:9784062880749|2010年10月発売|新書|評=◎おすすめ
<キャッチコピー>
投句、選句、披講から点盛り、講評まで、人気主宰の実際の句会をつぶさに再現。題材を問わない「持ち寄り」、想像力を働かせる「題詠」、五感を総動員する「吟行」。それぞれの条件で詠まれた句を俎上に載せ、楽しくも真摯なやりとりが繰り広げられる。
<memo>
句会というより俳句の実戦入門編としておすすめ。
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