柴田トヨ●くじけないで
* 私ね 人から やさしさを貰ったら 心に貯金しておくの さびしくなった時は それを引き出して 元気になる あなたも 今から 積んでおきなさい 年金より いいわよ ――「貯金」 |
●くじけないで|柴田トヨ|飛鳥新社|ISBN:9784870319929|2010年03月|評=△
<キャッチコピー>
「人生いつだってこれから 朝はかならずやってくる」産経新聞「朝の詩」で注目を集める98歳の詩人、90 歳を過ぎて詩を書き始めた トヨさん、初の処女作品集
<memo>
1911(明治44)年生まれの一人暮らしの老女の詩集。詩というより独白にすぎないが、50万部をこえたという。劣化する読者と編集者の例。
歳をとるたびに/いろいろなものを/忘れてゆくような/気がする
人の名前/幾つもの文字/思い出の数々
それを 寂しいと/思わなくなったのは/どうしてだろう
忘れてゆくことの幸福/忘れてゆくことへの/あきらめ
ひぐらしの声が/聞こえる(「忘れる」)
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