佐々木譲●警官の紋章
** 「佐伯さんは、とんでもないことをやろうとしてるってことですよ。前の本部長だけが相手じゃない。地検と税関まで。それって、事実上、国家を相手にするってことじゃないですか」 「国家の代紋背負った犯罪者たちだよ。相手にとって、不足はないだろ」〔…〕 「おれが、刑事の紋章賭けて勝負していい相手だ」 「いまの幹部連中、佐伯さんのその捜査を承認しますか」 「二年前なら、部下に無理無体なことも指示できた。 いまはちがう。おれにノーと言うなら、おれがどこかに駆け込むことを覚悟しなきゃならない。 幹部の下のほうでは判断できない。案件は、上に上にと上がってゆく。最終的には、本部長が決断しなきゃならない。上等な事態じゃないか」 |
●警官の紋章|佐々木譲|角川春樹事務所|ISBN:9784758411202|2008年12月/文庫版2010年05月|評=◎おすすめ
<キャッチコピー>
北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。拳銃を所持した警官の失踪、覚醒剤密輸入事件の偽装疑惑…。佐伯刑事たちは、それぞれの任務のため、警官としての信念と誇りをかけて疾駆する。
<memo>
「笑う警官」「警察庁から来た男」に続く、北海道警察シリーズ第3弾。この3作目がもっともスピーディでスリリング。
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