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2010.11.10

柴田哲孝●GEQ

20101110geq

*

「県知事をはじめ、その場にいた県庁の責任者の間でどのような会話があったのか。なぜ自衛隊の派遣が遅れたのか。私が知りたいのは、それだけです」〔…〕

「とにかく、話せないんだ。あの地震の当事者は、まだ生きてるんだ。私が話せば、誰かが傷付くことになる……」

松永は、野間の肩に手を掛けて止めた。目を見つめ、いった。

「傷付く? いったい誰が、どのように傷付くんですか。

あの地震では、6000人以上の人間が死んでるんだ。10万人以上の人が家族や親戚を亡くし、50万人以上の人間が仕事や生活、家を失った。13年が過ぎても、傷は癒えていない」

野間は、暗い路面に視線を落とした。体が、かすかに震えている。

GEQ|柴田哲孝|角川書店|ISBN9784048740234201002月|評=○

<キャッチコピー>

1995年1月17日午前5時46分阪神淡路大震災勃発。事実を積み重ねれば、恐るべき“真実”となる。GEQ(大地震)の裏に隠された陰謀とは?読む者を震撼させずにはおかない驚異の長編ミステリー。

<memo>

陰謀史観によって阪神淡路大震災、スマトラ沖地震、四川大地震というGEQGreat earth quake)が描かれる。震災の妙にリアルな描写、あまりにも類型的な主人公の男と女、日本・中国・アメリカという舞台装置、陰謀説、……どこに視点を置くかによって作品の評価が分かれる。

柴田哲孝■ 日本怪魚伝

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