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2010.11.30

高任和夫●エンデの島

20101130

*

「門倉さん、笑わないと約束するかい?」

「もちろん」

「じゃぁ言おう。経済はじつは愛の領域なんだよ。人が幸せになるためのものだ。

ものをつくる喜びを味わったり、人の役に立つビジネスをやったり、コミュニティを支えたりするのが経済というものなんだ」〔…〕

「門倉さんは郷里の再生といったが、私は人々が共生する社会をつくりたいんだ。

なぜなら、人間というのは群れる動物だから。そして幸福というのは、共生する社会でないと得られないから。私が東京で事業をやっていて学んだのは、そんなことだね」

●エンデの島|高任和夫|光文社|ISBN9784334925482200704月/文庫版|ISBN9784334745738200904月|評=○

<キャッチコピー>

「パンを買う金と、株に投機する金は違うはずだ」─作家の門倉が、雑誌の取材のために訪れた伊豆諸島の奥ノ霧島は、ミヒャエル・エンデのこの言葉を具現化した、まさに理想の島だった。紀行文のスタイルで、人間の真の幸福と、この国の目指すべき未来を描いた、愛の経済小説。

<memo>

「生きるということが、もし日常の退屈を紛らわす作業だとすれば、釣りという遊びほど矛盾したものはないと思うのだ。まさに退屈そのものではないか。〔…〕はるか遠くの穴に何回で玉を入れるかを競うのも、黒と白の小石を至に打って殺し合いをするのも、魚と戯れるのとなんら異ならない。〔…〕仕事をやっているうちは、まだ気がまぎれる。仕事を失ったときや仕事ができなくなったとき、もっとも困るのは経済問題をのぞけば、退屈な時間の過ごしかたである」(本書)。

高任和夫●敗者復活戦

高任和夫●罪びと

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