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2010.11.18

高任和夫●敗者復活戦

20101118

*

「初老期鬱病かもしれませんね」

医師はもっともらしい病名を告げた。

「私は初老、つまり老人なのですか」

「そうです。立派な老人です」

「…………」

「昔は初老とは四十歳のことを指したのですが、今では六十歳前後を初老というのが一般的ですね」

「ということは、六十歳定年制は理にかなった制度なのですか」

「ええ、昔はその年齢で隠居すればよかった。猫の頭をなでたり、孫を膝に乗せたり、盆栽でもいじっていれば、間もなくお迎えがきましたからね。

けれど、急激に寿命が延びた。人は簡単に死ななくなった。定年後、どう生きるかというのは、大変な難問です。現役のときのように、会社に行っていればいい、というわけにはいきませんからね。それで初老期鬱病患者が増えたのです」

「……私は一種の社会現象なのですか」

●敗者復活戦|高任和夫|講談社|ISBN9784062147408200805月/文庫版ISBN9784062767873201010月|評=◎おすすめ

<キャッチコピー>

団地に暮らす団塊世代三人。総合商社の中間管理職・彦坂祐介は、巨額の負債を残して失踪した同期の探索に行き詰まる。都市銀行を定年後、酒浸りの日々を送る雨宮。趣味生活の果てに世界一周旅行に出た河合。三者三様の「敗者復活戦」で見出した、人生の味わいとは?

<memo>

この著者の作品を初めて読んだが、ストーリーはともかく、主役3人から端役に至るまで登場人物が鮮明にイメージできるよう描かれている。

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