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2010.12.13

佐々木譲●北帰行

20101213

*

この段階で、丸腰でソーバリの事務所に入ってゆくことは、誤りだろうか。

撃たれないか? 蜂の巣にならないか? いま銃撃戦があったばかりのこのタイミングで、相手方ボスとの直談判は無謀ではないか?

しかし、あとどんな手がある? 自分たちの組織は、このままでは絶対にあのコリアン・ロシアン・マフィアとは手打ちとはしない。まだまだ消耗戦は続く。〔…〕

長引けば長引くほど、自分が無様に殺される可能性は増える。よくて拳銃不法所持か発砲罪で逮捕、もう少し運が悪い場合は、殺人罪で逮捕だった。

そこでおれの人生は終わる。女と、いい酒と、賭け事の好きなおれの人生は終わるのだ。だったら、この一か八かに賭けるしかない。

北帰行|佐々木譲|角川書店|ISBN9784048739788201001月|評=○

<キャッチコピー>

六本木界隈で組長狙撃事件が発生した。現場から立ち去ったのはロシア系の女と日本人の男。その行方を執拗に追う暴力団、警視庁組織犯罪対策部。東京、新潟、稚内。会心の長編クライム・サスペンス。

<memo>

著者は連作短編『廃墟に乞う』で直木賞を得たが、本書を読めばやっぱり長編の人だと思う。北村薫あたりから直木賞は作品にというより作家に与えられる賞になりつつある。

佐々木譲●警官の紋章

佐々木譲●廃墟に乞う

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