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2010.12.14

浅田次郎●ハッピー・リタイアメント

20101214

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顔がデカい。62歳という年齢にしては体もデカい部類だが、顔はさらにデカい。いや正しくは異様にデカいと感ずるほど、その顔からは無敵のオーラが輝(かがよ)い出ているのである。〔…〕

したがって加齢臭たるやなまなかではなく、廊下ですれちがっただけでも辟易し、運悪くエレベーターに乗り合わせでもしようものなら、誰もが思わず息を詰めた。

しかしそうした他者の辟易ぶりすらもおのれに対する敬意の表情と錯誤し、エレベーターの中が静まり返っているのはおのれの威厳のせいだと、彼は信じて疑わない。〔…〕

やおら体をかしげて屁をひった。感心するほど低く長い、みごとな屁である。

人間誰しも、年齢とともに垢抜けてくるのは焼香の作法と屁の音である。

前者は仏事をこなした分だけ、後者は肛門括約筋が衰えた分だけ、垢抜けてくるものと思われる。                                      

●ハッピー・リタイアメント|浅田次郎|幻冬舎|ISBN9784344017511200911月|評=△

<キャッチコピー>

しがない財務官僚と愚直だけが取り柄の自衛官。二人が突如再就職先として斡旋されたJAMS(全国中小企業振興会)は、元財務官僚が牛耳る業務実体のない天下り組織。その体質に今イチ馴染めない二人は、教育係となった秘書兼庶務係から、秘密のミッションを言い渡される…。

<memo>

ハッピーリタイアメントを企てる3人だが、そこは浅田次郎。単なる定年物語ではない。しかし不発。

浅田次郎◆つばさよつばさ

浅田次郎●アイム・ファイン! 

浅田次郎●ま、いっか。

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