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2010.12.03

大村彦次郎●荷風 百閒 夏彦がいた――昭和の文人あの日この日

20101203

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丸谷才一、藤沢周平、井上ひさしの、それぞれ山形県生まれの三人が月刊誌『現代』誌上で催したお国自慢の座談会に出席した。まず井上が東北といえば、美人が多い、美人の大産地だ、と一席ブッた。〔…〕

そのとき丸谷が日本海側は一県おきに美人県だという説を紹介した。

これは文芸評論家の山本健吉の説だが、秋田が美人県で、山形を抜いて、次は新潟が美人県。富山を抜いて石川が美人県。それから一つ置いて京都府が美人、そのつぎにここだけはなぜか一つ飛ばさないで兵庫県。

それからまた一つ置いて島根県、つぎが福岡県、最後は長崎県。〔…〕

これを聞いた藤沢と井上が口をそろえて、山形県にも美人が多い、と異を唱えると、丸谷もうなずいて、そうなんだ、いったい山本さんの説はもっぱら家庭の事情によるんでね、と説明した。

山本夫人が兵庫県生まれだから兵庫県を入れる、お母さんが金沢の生まれだから親孝行の意味で石川県、自分が長崎県出身だから、小学校の同級生であった女の子たちへの思慕の証しとして、最後に長崎県を持ってきた、と。

●荷風 百閒 夏彦がいた――昭和の文人あの日この日|大村彦次郎|筑摩書房|ISBN9784480823687201008月|評=○

<キャッチコピー>

つむじ曲りの頑固ものが気ままに生きた時代があった!文人たちの身辺雑記や楽屋ばなし精選300余話で織りなす昭和の世相と人情。

<memo>

昭和文壇ゴシップ集。戸板康二のちょっといい話には及ばないが、ボリュームで圧倒。

大村彦次郎■ 文壇うたかた物語

大村彦次郎■ 万太郎 松太郎 正太郎――東京生まれの文人たち

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