丸谷才一●あいさつは一仕事
* 和田 このシリーズ、一冊目は『挨拶はむづかしい』、次が『挨拶はたいへんだ』、三冊目がこの『あいさつは一仕事』です。 題名を辿ると、挨拶はむずかしくて大変で一仕事だということになりますが、挨拶のベテランでいらっしゃる丸谷さんにとっても、やはり大変なものなんでしょうか。 丸谷 ひとつにはね、挨拶は大変だとも、むずかしいとも、一仕事だとも何とも思わないで、ただ出ていって何かダラダラしゃべってみんなを困らせるという、そういう偉い人が多いでしょう。 だから、そうじゃないんだよと、聴いているほうとして大変だし、むずかしいし、一仕事なんだよと。 和田 聴く側の気持なんだ(笑)。〔…〕 丸谷 ええ。社長とか大臣とか、そういう人たちは自分のような偉い人が出ていって話をすれば、みんなが喜んで聴くのが当り前だという気拝があるんじゃないのかな。そうとは限らないんだということを僕は言いたいわけです。 ――和田誠・丸谷才一〈対談〉スピーチの心得あれこれ |
●あいさつは一仕事|丸谷才一|朝日新聞出版|ISBN:9784022507853|2010年09月|評=○
<キャッチコピー>
結婚披露宴でのスピーチ、定年の会でのねぎらいの言葉、弔辞、親兄弟が亡くなったときの挨拶…会場をシーンとさせ、爆笑させる名人芸50の見本帖。
<memo>
そういえば『挨拶はむづかしい』を読んだのは四半世紀前のこと。あのころは挨拶する機会が多く、ハウツー本のつもりで読んだが、真似のできるものではなかった。
| 固定リンク
コメント