後藤忠政◎憚りながら
* 警察や社会はヤクザのことを「組織犯罪集団」と呼ぶんだが、べつに犯罪者が集まってヤクザ組織を作ってるわけじゃない。ヤクザが犯罪者を育ててるわけでもない。〔…〕 極道の世界にはまだ、「主君のために命を捨てる」とか「二君に仕えず」といったサムライの精神が生きてるんだよ。だからこそ組織が成り立ってるんだ。 少なくとも自民党や民主党みたいに、自分が選挙に落っこちるかもしれないからといって、自分たちの選んだ親分を批判して、引き摺り下ろすような見苦しい真似は絶対にしない。 極道は半端な奴には勤まらんよ。そういう半端者は、やっぱりヤクザ社会からも脱落していく。そして、そいつらが組から破門や絶縁になったりして食い詰めて、強盗とかやるわけだ。 けど、そいつらヤクザ崩れがやったことも「元暴力団組員」とかマスコミが報じるから、 「ああ、やっぱりヤクザは犯罪者の集まりだ」ということになっちゃうんだな。 |
◎憚りながら|後藤忠政|宝島社|ISBN:9784796675475|2010年05月|評=△
<キャッチコピー>
しょせん、俺はチンピラだった!伝説の組長はなぜ山口組を去ったのか。伝説の山口組武闘派組長が、山一抗争、伊丹十三襲撃事件、孤高の民族派・野村秋介との交友、企業社会への進出、政界との交流、武富士との攻防、山口組引退の真相を語る〈衝撃〉の単行本!「人間一生のうちに、本当に腹を割って話をしたり、胸の内を包み隠さず見せたりできる相手は、2、3人もいれば充分だ。〔…〕「お前のためなら俺の命、少々削ってもいいよ」って、心の底から笑って言える人間なんか、なかなかおりやあせんもんで」(本書)。
<memo>
インタビューが西岡研介にしては食いたりない。
山平重樹●実録神戸芸能社――山口組・田岡一雄三代目と戦後芸能界
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