鈴木伸元◎新聞消滅大国アメリカ
* インターネットだけが情報のやりとりのメディアとなったいま、コミュニティをつなぎとめる場としての新聞はなくなり、単発的な情報発信のブログだけが残ってしまった。 ある価値判断を持って記事を掲載する新聞とは違い、ブログはインターネット上で他の無数の情報と同じょうに、ただ発信されるだけだからだ。 住民の意向を取り入れて活動してきたNPOが、指針とすべきコミュニティの空気を読み取れなくなっている。 これまでアメリカでは地域ごとの地方紙が無数に存在し、コミュニティを支えてきた。 新聞がなくなったことで、地方行政の権力を監視するという最大の機能が失われると同時に、 アメリカ社会は、「コミュニティ崩壊」という危機にもさらされている。 ──「第5章 新聞がなくなった街」 |
◎新聞消滅大国アメリカ│鈴木伸元│幻冬舎│ISBN:9784344981690│2010年05月│新書│評価=○
<キャッチコピー>
アメリカを代表する名門紙NYタイムズが2009年末までの3年間で社員の3分の1近い1400人を削減した。実際09年だけで全米の日刊50紙が消滅するなど、この動きは加速する一方だ。新聞がなくなると街は、国家は、世界は、どうなるのか? 新聞が消えた街でネットから得られる地元情報はごくわずか。政治は腐敗し、コミュニティは崩壊に向かう。
<memo>
NYタイムズの真似ばかりしている朝日新聞の消滅の日も近い。
大塚将司■ 新聞の時代錯誤――朽ちる第四権力
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