森英恵◎グッドバイバタフライ
* 森英恵のトレードマークとなった蝶のデザインも、ニューヨーク進出のために生み出したものである。〔…〕 結果として、ハナヱ・モリのブランドを象徴するデザインに成長したのである。カラフルな色彩のヴァリエーション豊かな蝶のデザインは、私の40代の代表作といってもいい。〔…〕 「森英恵は、蝶のデザイナーでしょ」 と。デザインした本人である私は、世界各地でのその認知を心からありがたいと思いつつ、 いいとか悪いとかでなく、ときにクリエーターがイメージを規定されてしまうことのジレンマを感じなかったといえば嘘になる。 40代に手がけたカラフルなデザインのアメリカ時代から脱皮し、51歳でパリ・オートクチュールに加入して、光と影でつくるかたちを追求することに没頭したのである。 50代のこの時期、あえて蝶のデザインを封印したシーズンもあった。そこには、40代での色と柄で見せるデザインから脱却したい自分がいた。 |
◎グッドバイバタフライ│森英恵│文藝春秋│ISBN:9784163734507│2010年12月│評価=○
<キャッチコピー>
不世出のデザイナーがすべてを綴った自伝。ファッションデザイナー。1926年生まれ。1950~1960年代前半にかけて日本映画の衣裳デザインを担当。1965年、ニューヨークで初の海外コレクションを発表、1977年から2004年までパリ・オートクチュール組合に属し、活動を展開した。
<memo>
全ページ自画自賛。幸いなるかな、わが人生。
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