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2011.03.03

川本三郎◎それぞれの東京 ──昭和の町に生きた作家たち

20110303

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 路地の暮らしは庶民的な良さがあったようだ。

 『銀座に生きる』によれば平成元年当時、路地には、魚屋1、雀荘1、スナック1、バー2、飲み屋7、パン屋1、碁会所1、事務所3、町会事務所1、があったという。

「銀座というとさも華やかによそ目にはきこえはよいが、みんな地味に細い路地に軒よせあって暮らしている」〔…〕

 近所同志は仲が良く、争いなどまずない。それどころか、豆腐や大根などの貸し借りも日常的に行われている。銀座でありながらどこか下町の良さがある。〔…〕

 銀座という町は年寄りにはいい。

新宿や渋谷に比べて若い人が少ない町が荒れない。治安もいい。デパートが多いし、映画館やレストランも数多くある。

 よく年をとったら田舎暮らしより都会暮らしのほうが文化的刺激があっていいというが、真砂女にとって銀座は仕事場であると同時に映画を見たり、食事をしたり、買い物を楽しんだりする遊びの場でもあった。

──「鈴木真砂女・銀座の路地が第二の故郷」

◎それぞれの東京 ──昭和の町に生きた作家たち│川本三郎│淡交社│ISBN9784473036797201101月│評価=○

<キャッチコピー>

作家の足あとをたずねて「ノスタルジー都市」東京を歩く。昭和の町の記憶をたどる23篇。明治・大正期に生まれ、昭和期に精力的に活動した作家、詩人、映画監督、画家ら23人。震災や空襲、オリンピック、バブルと時代とともに大きく姿を変える東京で日々を過ごした彼らの暮らしと、変化し続ける東京の町並みの「いま」「むかし」を、町歩きの達人にして文芸評論家の川本三郎氏が綴ります。

<memo>

田村邦男の写真がそれぞれの町の雰囲気を見事に伝える。

川本三郎◎マイ・バック・ページ――ある60年代の物語

川本三郎・文/樋口進・写真●小説家たちの休日―― 昭和文壇実録

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