北方謙三◎水滸伝19・旌旗の章
* 「宋江殿も、諦められたのですかな」 「あのお方に、諦めはない。私にない強さを、お持ちだ。闘えるだけ闘おう、と考えられているだろう。それが、戦で死んでいった者たちに対して、唯一できることだと」 「生きている人がいる。それは数多い。しかし、死んだ人間の多さは、無限に近いと思います。 無限の死の上に、数多い人の生はあるのではありませんか?」 「なにを言いたい?」 「死は、無意味であると。だから、私は自分で死ぬことができないのです」 ──「天魁の星」(許貫忠と呉用) |
◎水滸伝19・旌旗の章│北方謙三│集英社│ISBN:9784087462821│2008年04月発│文庫│評価=◎おすすめ
<キャッチコピー>
最終決戦の秋が訪れる。童貫はその存在の全てを懸けて総攻撃を仕掛けてきた。梁山泊は宋江自らが出陣して迎え撃つ。一方、流花寨にも趙安が進攻し、花栄が死力を尽くし防戦していた。壮絶な闘いによって同志が次々と戦死していく中、遂に童貫の首を取る好機が訪れる。史進と楊令は、童貫に向かって流星の如く駈けた。この国に光は射すのか。漢たちの志は民を救えるのか。北方水滸、永遠の最終巻。
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