柳瀬尚紀◎日本語ほど面白いものはない──邑智小学校六年一組特別授業
* みんな、時間はどっちからどっちへ流れると思う? 過去から未来へ流れる?〔…〕 今から未来に流れる。未来は向こうから来るんです。未来が来て現在になる。なった途端に過去になる。〔…〕 手を入れて、今こぼれ落ちようとしている水、これが今なんです。こぼれて、ああ、行っちゃった、というのが過去。 あ、今手に来るというその水が、未来。 天才的なこと言うでしょう。それは言った人が天才だからです。誰かというと、レオナルド・ダ・ヴィンチ。 そこで人間は何をするかといえば、黙って、あ、流れてきた、ではいけないんです。 未来が来たら、こっちからも飛びこんで行かなくちゃ。 だから、一見、過去、現在、未来という順番があるように思うけれども、本当はダ・ヴィンチのいうとおりなんです。 だから、現在、今が一番面白い。今が楽しいということが一番です。 ──「最大の奇蹟は言語である-第2回特別授業」 |
◎日本語ほど面白いものはない──邑智小学校六年一組特別授業│柳瀬尚紀│新潮社│ISBN:9784103039525│2010年11月│評価=○
<キャッチコピー>
島根県の山奥、美郷町で学ぶ16名。『チョコレート工場の秘密』の訳者は、いかにして「言葉」という奇蹟に目を拓かせたのか?感動の教育ドキュメント。
<memo>
子どもたちが授業を受けて著者への感謝、感想の手紙……、その1回目と2回目の落差が大きい。これが教育効果というものか。本書は例のNHK“課外授業もの”ではない。
| 固定リンク
コメント