内田樹/高橋源一郎◎沈む日本を愛せますか?
* 内田 現に菅直人は、前政権の副総理で財務相だったわけで、もし鳩山内閣が政策的にダメで、機能不全だったとすれば、副総理はその共同責任者でしょう。 逆にもし彼が、鳩山時代には影響力をまったく行使できなくて、本当はやりたいことがあったのだができなかったっていうことであれば、副総理でありながら、総理大臣の政策決定に関与できなかった無能な政治家だってことになる。 菅さんの鳩山政権における存在感のなさは、彼が鳩山政権の共犯者であったか、 政治的に無能であったか、どちらかでしか説明がつかないんだから、66%っていう支持率は論理的にはあり得ないんだよ。 だから、支持率バブルだって言ったのよ。すぐに暴落することがわかっていて、本来40のところを高めにつけたのは、目減りする分を楽しもうということなんだと思う。 期待を担って登場した政権が短期間に人気を失ってゆくプロセスを、メディアが総掛かりで叩きのめす光景を、バラエティショーを見るように見てみたいっていうね。 高橋 だから、有権者の側の政治的機能っていうか、能力が、著しく落ちてるね。〔…〕政治ショーを見る観客っていう立場をとる人が、無意識のうちに非常に増えた。 |
◎沈む日本を愛せますか?│内田樹/高橋源一郎 │ロッキング・オン │ISBN:9784860520939│評価=△
<キャッチコピー>
極論、暴論、しかし読めば読むほどに正論。稀代の論客ふたりが真正面から政治を語った。2009年3月‐2010年9月の日本政治の動きにあわせた対談集。
<memo>
1年前後でやめた首相でも、人柄、政策、政治手法のいずれかに魅力があった。菅直人首相は、夫婦そろって品位がなく、とりまきとの思いつきによる言動、首相の地位にいることのみが目的にみえる。桜井財務副大臣は「菅首相は何か言われると、必ず自分の正当性を主張する」と批判。国会中継をみていると、菅首相の答弁は本当に見苦しい。首相がコロコロ変わるのはいかがなものかと菅首相を擁護し、いま非常時という理由だけで菅を支持するメディア。ジャーナリズム精神を封印した朝日新聞、テレビ朝日などのメディアは恥ずかしくないのかと思う。
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